「あっせん代理」とは、最近社会保険労務士に認められた制度なので、しらないかたも多いと思います。
解雇、賃金不払、リストラ等労使間のトラブルが急増しているのはご存知だと思いますが、その解決を裁判以外の方法でやろうというのが「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」の紛争調整委員会によるあっせんです。「あっせん」とは簡単に言えば「話し合いの手助け」ということができます。そしてその当事者の代理をする社労士の業務がが「あっせん代理」なのです。
相手があっせんの場に出てくれば勝てる?!
私は最近までこの制度の効果に疑問を持っていました。なぜなら、あっせんには裁判のような強制力がないからです。かんたんに言えばあっせんの場に相手が出てこないと話にならないのです。相手はそれを無視しても、「欠席敗訴」のようなことになるようなことはなく、その結果「あっせん打ち切り」という、なんの結果も生まないということになるのです。あっせん申請者としては、それからは裁判で救済をもとめる以外はなく、それまでの時間が無駄になってしまいます。
しかし、私はこの業務を何度か受けているうちに、この制度の非常に効果的な使い方を発見したのです。
逆に言うなら、相手があっせんの場に出てくれば、、、ここにポイントがあります。
問題の多い労働裁判
裁判を起こしたからといって救われる保障はなく、非常に困難なハードルがあります。それは、裁判能力のない裁判官が実際にいるからです。こまったことに簡易裁判所の裁判官にそれが多いのです。簡易裁判所は解雇予告手当や賃金不払の請求などにつかうことが多いというのに、、、。
私はある会社に対して、簡易裁判所に労働裁判を起こしたことがあります。結果はまさかの敗訴。判決文をみると、「こいつ本当に裁判官なのか?」と思えるような法律職としては非常に幼稚な内容だったのです。そこでもちろん上級裁判所である地方裁判所に控訴しました。結果は言わずもがなです。
労働法規の知識が低い経営者
このように裁判官ですらわかっていない労働法規ですから、会社の経営者はもっとわからないことでしょう。その結果、無用の労働紛争に発展したあげく、多額の弁護士費用と労働者への損害賠償金を支払わなければならないのです。また、それを解決するまでの多大な手間をかけることになるでしょう。それらの結果は会社の初期対応の甘さと労働法規の知識の低さが招いた結果ということになります。
個別労働紛争解決制度の内容とは
やはり今のところ、裁判は国民からかけ離れた制度となっているのが原状です。その前に問題を解決できたら、、、というのが「個別労働紛争解決制度」の目的なのです。その内容は
・総合労働相談コーナーにおける情報提供・相談
・都道府県労働局長による助言・相談
・労働調整委員会によるあっせん
となっています。これらの制度は全て無料です。労働問題がおきたらとりあえず総合労働相談コーナーに相談しましょう。
個別労働紛争等の相談窓口は、各都道府県労働局総務部企画室または最寄の各労働基準監督署内の総合労働相談コーナーが設置されています。
とくに「労働調整委員会によるあっせん」は労働裁判とくらべ、大きなメリットをもっていると言えるでしょう。
・労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用に関するものをのぞく)が対象
・多くの時間と費用を要する裁判に比べ、手続が迅速かつ簡便
・紛争当事者間であっせん案に合意した場合には受諾されたあっせん案は民法上の和解契約の効力をもつ等
といったメリットの他に、公開が原則の裁判とはちがい、原則非公開と言う、当事者のプライバシーの保護にも配慮するという内容も見逃せません。
なお、具体的に「あっせん」とはどんなものか?の情報が非常に少ないので、私が経験した「あっせん」とはどんなものか?をこのページで紹介します。あっせんとはこういうモノだ
相談した結果、「解雇しちゃったけど、違法だったのか」と、冷や汗をかいている会社もあると思います。その場合はすばやく適切な処理をすることをおすすめします。なぜなら、会社が訴えられて仮に勝訴しても得るものはなく、それどころか多額の弁護士費用を出費することになります。勝訴しても弁護士費用は請求でしませんから。
一方、労働者としては「やっぱり、会社側の方がおかしいよな」と思われるかたも多いと思います。その場合は裁判をおこす前にあっせん制度を利用すべきです。やはり第一に労使の話し合いが大事で、裁判で決着しても双方に遺恨、怨恨をのこすことが多いのです。あっせんならば、最後にお互い笑って別れることすらあるのです。長い人生どこでだれにあうかわかりません。そのことから考えても裁判で決着をつけるよりもメリットはあると思います。何年か後にクビにした人が会社の重要な取引先になっていた、、、なんてことも考えられなくもないですから。(逆の立場の場合もあり)
そこで、当事務所としては労使を問わず当事務所のあっせん代理をおすすめします。「労使を問わず?おまえはどっちのみかたなんだよ」と思われるかたもいらっしゃるかもしれません。それに対しては「どちらのみかたでもありません」と答えます。なぜならあっせん制度は裁判のような戦いの場ではないからです。すなわち当事務所はあくまでも話し合いの代理人の立場だからです。私はこの業務をしていて、経営者、労働者のくるしさをはだで感じています。だからこそ「不当に多額の金銭を請求してやろう」「なるたけ支払いを抑えてやろう」などとは全く思いません。
ただし、請求額を上げるノウハウはあります。もちろんそれも違法でも不当でもない方法で。当然ながら社会保険労務士という専門職は労働者、経営者よりもこれらに関連する知識は絶対にまけませんから。そしてこのあっせん制度のポイント、相手があっせんの場にでてきたくなるような方法も、、、。
戦いの場ではないからこんなこともできる
なお、あまり知られてはいないようですが、裁判の場合は法律の条文や契約条項にあるとかの根拠がある場合にしか争えませんが、「あっせん」の場合はかならずしもそれがなくてもよいのです。したがって、次のようなことも話し合うことが可能なのです。
・自分だけでもいいから成果にあった労働条件にかえてほしい(私的自治の原則がハードル)
・上司がセクハラをするので、なんとかしてほしい(どこからどこまでがセクハラかグレーゾーン)
・配置転換・降格をとりけせ(使用者の人事権がハードル)
・危険な仕事で割に合わない。労働条件のアップを(労働契約変更の問題)
・何年も派遣で働いてきたんだから正社員にして(派遣法違反だが罰則がない)
など、裁判ではきびしい内容まで話し合いができるのです。
またセクハラなど、当事者としては公にしたくないような問題にも対応が可能で、非公開が原則の制度だからこそできる問題にも対応できるという、このように「あっせん」は非常に奥深い制度と言えます。
あっせん代理の報酬
着手金として3万円(ただし、解雇労働者などの生活困難者は2万円)その他、あっせん案合意による成功報酬として合意金額の20%の金額をいただきます。(ただし、会社側の場合は別個に定めることとします)
その他交通費、宿泊費、日当を別途いただきます。
ぜひ、ご検討ください。
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