損害額の調査方法及び算出方法

損害保険鑑定人にとって一番関心があるのがこの損害額ではないでしょうか?これが保険金の支払いに影響するからです。事務所では毎日の様に「見積もり」が高いなどとやっているはずです。これも建物を例にとり説明します。

損害額の調査方法
 現場を調査し、損害部分を確認します。事故が火災なら、燃えているところは勿論のこと、煙でよごれたところ、消火活動で水濡れになったところも損害となるため、その確認をします。建物や動産等を解体・分解して調べるということはほとんどありません。

損害額の算出方法
 損害状況を検討し、修理不可能であれば全損となり保険価額が損害額となります。修理が可能であれば見積り書をとりよせ、見積り書のどこまでを損害とすべきかを検討します。
 そこで問題となるのが損害の範囲です。建物を構成する部材のどこまでを損害とすべきかでしばしば保険会社側と被保険者側で紛争がおこります。保険約款には具体的に損害の範囲とすべきところを明確にしていませんし、被保険者としては原状復帰(元通りにすること)を望んでいます。この様な場合、基本的には損害があった部分のみを復旧させる費用をベースに算定するのが合理的です。例えば壁が1面にだけ損害があったとしたらそこの部分だけが損害範囲になります。他の3面は損害とはなりません。その損害があった部分を復旧させる費用を算定しましたら、その金額に経年減価額を控除します。ただし、経年減価額を控除するのはその修理によって建物全体の価値があがったときのみです。わずかな損害でも経年減価をするのは間違った査定です。と、実務書にも記載があります。

20万円以上の損害額を要する場合
 風災、ひょう害、雪災により保険の目的が損害をうけ、その損害の額が20万円以上の場合に保険金が支払われます。だからといって、必ず20万円以上が支払われるわけではなく、保険金額が不足していれば、その割合でしか保険金は支払われません。

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「ボヤ」と簡単に言うけれど、、、
 「小火」と書いて「ボヤ」と呼びますが、出火が大したことはなくても工場や商店では大きな損害になることがあります。それは煙のせいです。工場や商店では間仕切りが少ないので黒い煙が工場や商店の建物全体に廻ってしまうのです。この黒い煙の正体は炭ですから非常に落ちにくく、それが着いた商品はたいていの場合売り物になりません。例えばショッピングセンターの一階でボヤがおこり、2階以上の売り場が吹き抜けになっていたら、ショッピングセンター全体に煙が廻ってしまい、相当の損害がでるでしょう。
 また、消火の際の消火剤や消防放水なども以外に損害が大きくなるものです。火がでた付近一帯にそれらをまくのですから。その水と消防放水が混じれば衣料品店や大工場などは意外なほど大損害になるのです。